久々に触れる、フォルメのレディースシューズ

今回は久々のレディースシューズの記事です。
レディース靴の世界にも魅力的な製品は数多くありますが、トラディショナルなメンズシューズの要素をうまく取り込んだ一足となると、意外なほど選択肢は限られてきます。
その中で、しっかりと独自の立ち位置を築いているのが forme(フォルメ)です。
メイドインジャパンでありながら、良い意味で日本らしさに寄りすぎていない。
それでいて、実際に足を入れると日本人の足にも不思議と収まりが良い。
このあたりに、フォルメというブランドの面白さがあるように思います。
今回お預かりしたのは、そんなフォルメのレディースTストラップシューズ。
クラシックな佇まいを持ちながら、どこか静かな個性も感じられる一足です。
今回の修理内容について

今回の修理内容は、ハーフラバーとトップリフトの交換です。
ソール面を見ると、ヒールには元々のトップリフトに加えて、ハーフラバーで使用するような薄いゴムが貼られていました。
こうした仕様は時折見かけるのですが、個人的には少し懐疑的に見ています。
というのも、トップリフトは基本的に摩耗したら剥がし、新しいものへ交換できるように作られている消耗部位です。
そこへ1~2mmの薄いゴムを重ねても、かかとから接地する以上、歩行の早い段階で角から削れてしまいやすい。
滑り止めとしての意味はあるとしても、補強という観点ではあまり大きな意味を持たないのではないか、というのが率直な考えです。
修理屋として見れば、もちろん仕事にはなります。
ただ、それが本当に履く方のためになっているのかと考えると、少しモヤモヤが残るところ…
ややネガティブな話になってしまいましたが、どうしても何かを足したい場合には、4mm程度の厚みがある部材をご紹介することはあります。
その方がまだ役割は明確です。
今回は、薄いゴムだけでなく元のトップリフト自体も削れていましたので、6mmのトップリフトへ丸ごと交換する内容で進めました。
使用した部材

使用部材は、安心安全のVibram製。
ハーフラバーには、ベーシックな1.8mmタイプを使用。
今回はコバの色味に合わせて、ブラウンをお選びいただきました。
トップリフトは、レディース修理で使う機会の多いVibram7179デュプラです。
耐久性、グリップ、静音性のバランスが良く、日常使いの靴にも取り入れやすい部材だと思います。
派手な特殊仕様ではありませんが、こうした定番部材の良さはやはり安定感にあります。
見た目を大きく崩さず、履きやすさや実用性を素直に底上げしてくれるのが魅力。
仕上がり

というわけで、さっそく仕上がりです。
フォルメのソールは、特にウェスト部分の盛り上がりが強く起伏を感じますが、ハーフラバーもしっかり沿って収まってくれました。
こうした部分が無理なく仕上がると、見た目にも収まりが良く、補強感だけが前に出ることもありません。
ハーフラバーを加えることで、滑りに対する不安も軽減されます。
しっかり履いていきたい方にとっては、やはり有効な補強だと感じます。

ヒールも片減りが解消されて、見た目にも気持ちの良い状態になりました。
トップリフトは消耗に応じて数回交換していける部分ですので、減ってきた段階で適切に取り替えていけば、靴全体を無理なく長く使っていくことができます。
色合わせと、基礎修理の意義

ブラウンのコバに対して、ブラウンのハーフラバー。
仕上がってみると、違和感はかなり少ない印象です。
こうした補強では、性能だけでなく見え方も大事です。
近い色で揃えておくと、多少摩耗が進んだ後でも境目や傷みが悪目立ちしにくく、全体の印象を保ちやすくなります。
ハーフラバーやトップリフト交換のような基礎修理は、内容的に映える派手さはあまりありません。
けれど、履きながら状態を整え、無理なく長く使っていくという意味では、とても実用的で効果の大きい修理です。
お気に入りの一足をしっかり履いていきたい方には、こうした補強修理をぜひ前向きにご検討いただければと思います。
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forme(フォルメ)Blucher ヒール修理|ダヴテイルリフト交換と積み上げ補修の実例
forme(フォルメ)のローファーに新品補強|ヴィンテージスチールとハーフラバー、ツメコバの考え方

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