Church’s(チャーチ)BURWOODをオールソール交換

プラダといえば?
この記事を書いている頃は、「プラダを着た悪魔2」の上映が始まり、世間もにぎわっています。
私はまだ観ていないのですが、20年ぶりの続編となれば好きな方にはたまらないでしょうね。
しかし靴好きの皆さまであれば、プラダからChurch’s(チャーチ)を連想することでしょう。
え?
そんなのお前だけなんて言わないで。
今回は、そんなプラダ傘下加入後のチャーチ、レディースモデルのバーウッドをお預かりしました。
ラバーソールのつま先が欠損した状態

お預かり時は、ラバーソールのつま先部分が欠損している状態でした。
これは柔らかいゴム質のソールでたまに見られる症状で、比較的レディース靴に多い印象があります。
柔らかいラバー特有の、欠けるような劣化ですね。
メンズで言えば、Paraboot(パラブーツ)などでもありがちな症状かもしれません。
もちろん部分修理ができないわけではありません。
ただ、今回は今後の使用も踏まえ、潔くオールソール交換をご選択いただきました。
ミッドソールを活かした修理工程


この靴のソール構成は、ウェルトと薄いレザーミッドソール、その下に薄いラバーアウトソールという仕様。
つま先の欠損以外は非常に状態の良い靴でしたので、写真の通りミッドソールより上は再利用しています。
ダシ縫いはかけ直すため、古いソール糸はすべて抜き直します。
また、元の接着剤が残っていると再接着の邪魔になるため、接着面も丁寧に除去していきます。
ミッドソールを残す利点としては、中物、つまりコルクなどを交換しなくて済む点があります。
中物が変わると、履き心地にも多少なり影響してくるためです。
逆に、古い靴や履き込まれた靴で同様の仕様の場合、中物や接着剤の劣化が進んでいることも少なくありません。
その場合は、ミッドソールや中物も含めて新しくしてあげた方が良いでしょう。
この辺りは靴の状態によって判断が変わりますので、ご相談いただければ靴に合わせたご案内をさせていただきます。
Vibram269ソールで再構築

というわけで完成。
元ソールの写真をもう少ししっかり撮っておけば良かったのですが、今回はデザイン的にも非常に近いVibram269ソールで再構築しました。
このソールは、ウェスタンブーツやWHITE’S(ホワイツ)などにも使われるモデルですね。
屈曲性もあるため、今回のようなレディースの短靴にも相性の良いソールです。
半カラスのようなV字デザイン

Vibram269の特徴として、レザーソールで言うところの半カラス仕上げのようなV字デザインがあります。
このデザインがなかなか格好良いんですよね。
さらに、ソール前半と後半で厚みがかなり異なるため、コバにも自然と抑揚が生まれます。
単純なフラットソールにはない面白さがあります。
ヒール高さまで含めた全体バランスの調整

元ソールが比較的薄めであること。
そして、Vibram269はソール前半が厚く、後ろ半分が薄い構造であること。
つまり、そのまま置き換えるだけではバランスが崩れてしまいます。
そのため今回は、ヒールブロックも少し高めに設定。
具体的には、レザー積み上げを1枚分追加しています。
その影響もあり、ヒール部分はややドレッシーな雰囲気に仕上がったかと思います。
靴は本当に繊細なもので、たった1mmでも見え方や履き心地が変わってきますので…
だからこそ、単にソールを交換するだけではなく、靴全体のバランスを見ながら細部まで調整していく必要があります。
チャーチらしい端正な空気感を残しながら、日常の中でまた履き込んでいただければ幸いです。
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
Church’s(チャーチ)Consul|イギリス製レザーリフトで整える足元の輪郭
Edward Green(エドワードグリーン)旧工場製レディースの修理|ハーフラバーとトップリフト交換

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