オーロラシューズ、モス→黒へ染め変える

Aurora Shoes(オーロラシューズ)をモスカラーから黒へ染め替えました。
履き込むほど柔らかさが増す革ですが、色の印象が変わると靴の空気も少し変わります。
今回は、長く履いてきた一足をもう少し落ち着いた表情に整える作業です。
染め替えは単なる色の変更ではなく、革との対話のようなもの。
過度な脱色も、強すぎる染色も避けながら、素材の質感を残すことを意識しました。
染め替えの概要
- モデル:Aurora Shoes(モスカラー)
- 作業内容:黒への染め替え
- 目的:印象の引き締めと表情の統一
- 素材:スムースレザー
明るい色から濃い色への染め替えは比較的安定しますが、革の表面に残る仕上げ剤や油分によって発色が変わるため、まずは状態を見ながら少しずつ染料をなじませていきました。
染め替えの工程

脱色と下準備
染料を浸透させるため、表面に残った仕上げ剤を軽く除去します。
やりすぎると革を痛めるが、脱脂が甘いと染料が入らないというせめぎ合いの中での作業…
染色
黒染料を少量ずつ重ね、ムラにならないよう均一に伸ばします。
ここで急がず、時間を置きながら乾燥と重ね塗りを繰り返しました。
仕上げ
染色後は保湿を兼ねてクリームを塗布。
色を落ち着かせ、乾燥によるひび割れを防ぐ目的もあります。
仕上げ後の質感は、モスカラー時よりも引き締まりながら柔らかさを保っています。
仕上がりと変化

染め替え前後を比較すると、見た目はシンプルに黒くなっただけですが、印象は大きく異なります。
革の表面にわずかに残るうねりや艶が、黒によって際立つようになりました。
作業前よりも落ち着きが増し、どんな服装にも合わせやすい一足になったように思います。
毎日使うものだからこそ、自分が一番落ち着く色で履き続けたい。
そう思わせてくれる一足です。




コメント