ホワイトレザースニーカーの磨き|“白”をきれいに見せる基本ケア

ケア後のホワイトレザースニーカー。ソールの黒ずみが取れ、清潔感のある明るい表情に整った仕上がり Blog

ホワイトレザーはおしゃれ、でも汚れが目立つ…

ホワイトレザースニーカーの全体(ケア前の状態・軽いくすみが見られる)

今回はホワイトレザースニーカーをきれいにしてほしいというご依頼。
前提として、スニーカーの見栄えを整える方法はいくつかあります。
お預かりした靴に関してはスニーカーケア(磨き)をご提案させていただきました。

状態の確認

ソール周辺の黒ずみがわかる、ケア前ホワイトスニーカーの斜めディテール

一見きれいなホワイトレザーでも、目を凝らすとソールまわりにうっすらとした黒ずみや擦れが溜まっていました。
白は光を反射しやすく、僅かな汚れでもコントラストが立って見えやすい——これがホワイトカラーの宿命です。人によっては、少しのくすみも気になってしまうはず。

白に“色を乗せない”という考え方

補足として、ホワイトやごく明るい色は靴クリームでの補色がほぼ不可能です。
キズになった箇所に色を足したいとクリームを購入される方も多くいらっしゃいますが、正直それは本質的な解決にはなりません。
そもそも靴クリームは色を付けるための塗料ではなく、油分・ロウ分を補い、既存の色に深みと艶を与えるものです。

アプローチの選択

スニーカーは素材・構造・が多様で、最適解は個体ごとに変わります。

  • しっかり洗浄し、丸洗い(クリーニング)を前提に整えるケース
  • キズの補修や塗料の塗り直しが必要なケース
  • 汚れ落としと保湿を中心としたケアで対応するケース

今回はアッパー自体は比較的きれいで、ソールの黒ずみが取れれば全体の見映えが大きく改善すると判断、全体ケアでお受けしました。

作業内容

  • ソールとアッパーの汚れ落とし
    ソール側面の黒ずみには専用リムーバーをやさしく使用。
    強く擦らず、面を寝かせて均一に拭き上げるだけでも、白の清潔感が戻ります。
    アッパーはマイルドなクリーナーで表面の汚れだけをオフ。
    シボの谷に溜まったくすみも、繊維方向に沿って拭うと抜けやすいです。
リムーバーをかける直前のソールとアッパーの状態(まだ汚れが残っている)
リムーバー使用直後のソール/アッパー。黒ずみがしっかり取れた状態。
  • 磨き(保湿と艶出し)
    クリームは“色を乗せる”のではなく油分補給が目的。
    薄く伸ばし、ブラッシングと乾拭きで自然な艶に。
アッパーにクリームを薄く伸ばし、油分補給と艶出しを行っている工程

仕上がりと所感

ケア後のホワイトスニーカー全体。ソールの黒ずみが取れ、白さと艶が自然に整った仕上がり

ソールの黒ずみが引くだけで白の清潔感が戻り、アッパーは油分補給でしっとり。
“色を足さずに、もともとの白をきれいに見せる”——この方法が、ホワイトスニーカーには結構効きます。

白をきれいに保つために

ケア後のソール側面のディテール。均一に整えられた白さと自然な艶感

今回のような内容であれば、ご自宅でのケアでも十分整えることが可能です。
ただし、素材や仕上げによって判断が分かれるケースもありますので、迷われた際はどうぞお気軽にご相談ください。


仕上がったスニーカーを雰囲気よく撮影したポラロイドイメージ(記録的スナップ)

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