GUIDI(グイディ)PL2|ハーフラバー張り替えで再び歩ける一足へ

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GUIDI(グイディ)PL2|Vibram #2340ハーフラバー

イタリアの老舗タンナーGUIDI(グイディ)のセンタージップブーツ、PL2モデルのハーフラバー張り替えを行いました。

修理前のグイディPL2。ハーフソールの摩耗が進み、コバ付近のラバーが擦り切れている。

私自身もPL1を所有しており、フルグレインホースレザーの立体感と艶には惹かれ続けています。
アルチザンらしい粗削りな表情を残しつつ、しっかりと歩ける仕様に仕上げています。
私自身もPL1を所有しており、履き込むほどに増す“うねり”と艶には今も惹かれ続けています。

摩耗状態と下地の整え

今回は、既存のハーフラバーを剥がしたのちの状態からスタート。

グイディPL2の古いハーフソールを剥がした状態。中央の凹みと外周部の摩耗が見られる。

グイディのアウトソールはもともと中央部がやや凹み気味の形状で、コバ寄りが先に薄くなる傾向があります。
外周部はラバーがほぼ消失しており、まずはソール面をフラットに整えるところから進めました。

選定素材:Vibram #2340 をレディース仕様に

修理を終えたグイディPL2の底面。Vibram #2340の均一な厚みと丁寧な接着が際立つ。

ガシガシ履けることを最優先し、レディースにしては比較的厚みのある Vibram #2340 を採用。
グリップと耐摩耗性に優れ、歩行時の安心感も高まります。
過度に重くならないバランスで、日常使いに向いた実用性を確保しました。

“グイディらしさ”の再現――コバのバサつき

アルチザン系ブランドの靴は、パーツごとのニュアンスが作品の一部です。
グイディは「タンブラーダイ(後染め)」の工程により、コバに独特のバサつきが現れやすいのが特徴。

グイディPL2のコバ仕上げ部分をクローズアップ。タンブラーダイ特有のざらつきを残しつつ、自然な統一感をもたせた仕上がり。

仕上げではその荒々しさを再現し、全体の統一感を壊さないよう質感を調整しています。

仕上がりと今後のメンテナンス

張り替え後はソールラインが引き締まり、ブーツ全体がより立体的に見える印象へ。
(写真じゃわからないですね…)

修理後のグイディPL2を上から撮影。全体のバランスとソール厚の統一感がよくわかる一枚。

アウトソールは見た目以上に消耗が進んでいることがあるため、違和感を覚えた段階での早めの交換が結果的に靴の寿命を伸ばします。
グイディをはじめアルチザン系の靴は一点物のような個性を持つため、個体ごとの最適解で手を入れることが大切です。

ぜひご相談ください

この仕上げにはそれなりに自信があります。結構研究したので。
内容は秘密ですが、素材の表情を損なわずに“らしさ”を保つことを最優先に作業しています。
グイディのハーフラバー修理をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。


修理を終えたグイディPL2を手にするオーナー様のポラロイド写真。室内の柔らかな光が、革の艶と温かみを際立たせている。

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