加水分解によるソール崩壊
前回の投稿から1か月ほど間があいてしまいました…いろいろ忙しくしておりまして。
決してサッカーワールドカップの観戦で生活リズムがおかしくなったわけではございません、決して…

さて今回はスニーカーの天敵、加水分解のご依頼。
写真の通り、ソールがまるでクッキーのようにポロポロと崩れ落ちてしまっています。
オーナー様からすれば、なかなかショッキングな光景…
毎度申し上げておりますが、こうなってしまうと物理的に修復は不可能です。
ただ、デザインは変わってしまいますが、お気に入りのスニーカーはソール交換によって再び履けるケースがあります。
今回もそのご提案からのスタートでした。
Vibram 961C CHOPPER

ここ数年、スニーカーのカップソール用修理部材は選択肢が増えてきた印象があります。
選択肢が増えると、それはそれでオーナー様との打ち合わせが大変になったりもするのですが。
そんな中で今回選んでいただいたのが、Vibram(ビブラム)961C CHOPPER。
その名の通り「チョップ」、みじん切りされたような細かい四角パターンが特徴的なソールです。
私個人としては初めて使用する部材でしたので、仕上がりがどうなるか楽しみでもありました。
修理後の仕上がり

全ての工程を終えて、生まれ変わったPrada(プラダ)アメリカズカップスニーカーがこちらです。
なんだかこれはこれで格好良くない??
このスニーカーはもともとヨットレース関連のプロジェクトに由来するモデルらしいのですが、それとはまた違ったベクトルのスポーティさが加わったように感じます。
もちろんタウンユースにもバッチリ馴染む外観。
正直、チョッパーソールがここまで似合うとは予想していませんでした。
オーナー様のセンスには脱帽です、私の予想を軽々と超えていかれました。
あて革の縫い方の工夫

元ソールの接着跡は黒のスムースレザーで覆い、芯材が入っている箇所を除いてアッパーと縫い留めています。
芯材が入っている箇所(主にかかと)については、芯材へのダメージや、そもそも針が負けて縫えなくなる可能性を考慮し、ダミーステッチを施しました。
一周ぐるりと縫っているように見えるため、デザイン的な違和感はさほどないかと思います。

安心安全なVibram社のソールですので、雨天でも心置きなく履いていただけるはずです。
また比較的軽量な部材でもあるため、軽い履き心地と相まって、これからこの靴の出番がより増えたら良いなと思っています。
まとめ

メーカーの立場ではありませんので、この手の靴をオリジナル通りに復元することはできません。
ですが、イメージチェンジによる第二の人生、第二の「靴生」とも言うべき再スタートをお手伝いすることはできます。
「靴修理を”もう一度履きたくなる体験”に。」
これは私が仕事の中で掲げているテーマでもあります。
もっと踏み込んでお伝えするなら、修理して履くことで、その靴により一層愛おしさを感じていただけたら本望です。
壊れてしまったけれど捨てられない靴が眠っていましたら、ぜひお声がけください。
金額等の兼ね合いはさておき、足元を見直す機会として使っていただけたら嬉しく思います。
修理料金・納期
料金:
スニーカーカップソール(レギュラー品)13,200円
革巻き 2,200円
※全て税込価格
納期:約4週間
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
NIKE AirMax95(ナイキ エアマックス95)加水分解修理|Vibram762Kでオールソール
NewBalance996(ニューバランス) トータルリペア|ソール交換とロゴ再生で蘇る一足

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