ナイキ エアマックス95 オールソール

エアマックス95と言えば、やはりイエローグラデを思い浮かべる方が多いでしょうか。
今回はそれとはまた違った、赤の差し色が印象的な一足をお預かりしました。
ただ、めちゃくちゃ物足りない。

写真の通り、ソールが丸ごとありません。
いわゆる「加水分解」により、アウトソールからミッドソールまで完全に崩壊してしまったとのこと。
ここまで綺麗さっぱり無いと、修理屋的にはバラし工程がなくて助かる部分もあるのですが…
もちろん無いものはしょうがない。
リビルドしていきましょう。
ちなみに最近はエアマックス95用のジェネリックソールも一部業者では流通していますが、今回はあえてVibram製カップソールを使用し、少しカスタム寄りの方向性で仕上げていきます。
修理業界を取り巻く材料事情

完全に余談ですが、昨今の中東情勢の影響は我々の業界もかなり受けています。
そもそもナフサが無い。
その影響で、ボンド・プライマー・シンナーなども慢性的な枯渇状態になっています。
卸業者さまも非常に尽力してくださっていると思いますが、結構厳しい状況です。
結局、靴修理という仕事はビジネス構造上「末端側」の仕事。
有事の際にはこうした材料供給のダメージをかなり受けやすい業種だと実感させられます。
おそらく今後はボンド類もさらに値上がりしていくでしょうし、早急にというわけではないものの、靴修理価格そのものの業界水準も少しずつ変化していくかと思います。
私に限らず、皆生活をかけてこの仕事をしておりますため、何か変化があった際はご理解いただければ幸いです。
Vibram 762K フェルランニングソールでリビルド

と、暗い話はここまでにして仕上がりを。
今回は Vibram 762K フェルランニングソール を使用しました。
カップソール系の中では比較的スタイリッシュな部類で、エアマックス95特有のグラデーションアッパーとも相性が良く、なかなか格好良い雰囲気にまとまったのではないでしょうか。

また、見辛いかもしれませんが、アッパーのグラデーション最下段には革を当て、縫い留め補強を行っています。
元ソールの接着跡がどうしても見えてしまうためです。
もちろん剥がれ防止の意味合いもありますが、エアマックス95のようにパーツが折り重なるデザインの場合、こうしたステッチ処理を入れた方が自然にデザインへ落とし込めます。
ぱっと見では違和感なく馴染んでいるかと思います。
フェルランニングソールの特徴について

先程少し触れましたが、このフェルランニングソールは他のカップソールに比べてスタイリッシュな見た目です。
多分カップソールの中でも人気の高い部類ではないでしょうか。
反面、他モデルに比べるとクッション感はやや少なく、アウトソールパターンの溝も深め。
そのため、ハイテク系スニーカーへ装着した場合は、履き心地が少し硬めになり、良くも悪くも「地面を感じやすい」方向性になります。
ですので、個人的にはインソール交換によるクッション調整もおすすめです。
space12は配送修理専門店のため、インソール販売やフィッティングサービスまでは行っておりませんが、市販インソールのおすすめ程度であればもちろんご案内可能です。
配送修理だと実際に履き比べできないからこそ、インソール側で微調整できる余地を残しておくと、完成後の満足度もかなり変わってきます。
スニーカーの履き心地って、案外半分くらいはインソール次第だったりしますからね。
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
NewBalance996(ニューバランス) トータルリペア|ソール交換とロゴ再生で蘇る一足
スエードローファーのオールソールカスタム|ビブラムカップソールで再構築

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