Stefano Bemer(ステファノベーメル)のラスターヒール修理

最高峰の紳士既成靴とは?
そう問われたとき、一般的にはJohn Lobb(ジョンロブ)やEdward Green(エドワードグリーン)など、いくつかのブランド名が挙がると思います。
その一つに、Stefano Bemer(ステファノベーメル)も入ってくるのではないでしょうか。
既成靴というより、ビスポークやハンドメイドの印象が強いブランドかもしれませんが。
ただ、この仕事をしていても、しょっちゅう見られる靴ではありません。
靴好きの方であれば、一度は足入れしてみたいと思ったことがあるブランドの一つだと思います。
今回は、そんなステファノベーメルのラスターヒールを修理しました。
履きこまれたソールと、交換時期を迎えたトップリフト

今回は履きこまれて、ソールに摩耗が見られます。
トップリフトも交換時ですね。
……交換時?
??
ここで違和感を感じた方は、よく見てくださっています。
ゴム部分だけ、やけにきれいではないかと。
ラスターヒールのゴム部分のみを交換

修理前の写真を撮り忘れてしまい恐縮ですが、元々のゴム部分は摩耗と劣化でボロボロの状態でした。
今回は、トップリフトのゴム部分だけを同等の厚みのゴム板ではめ込むことで修理しています。
ラスターヒールはレザーとゴムが分離した構造になっているため、このような部分的な交換が成立します。
いつも通りトップリフトを丸ごと交換してしまえば良いのでは、と言われれば、それはそうなのですが…
世の中にはいろいろなニーズがあります。
レザー部分の摩耗は少ない。
オリジナルのレザーをもう少し楽しみたい。
できるだけ元の仕様を残したい。
そういったご要望にお応えするため、今回のようなかなり細かな部分修理を行うこともあります。
ゴムの形状によって修理方法は変わる

ちなみに、レザートップリフトに組み込まれているゴムにも、さまざまな形やはめ込まれ方があります。
今回はたまたま、ゴムだけを取り替えやすい内容でした。
ただ、そううまくいかないケースの方がむしろ多いです。
その場合は、ゴムの範囲に限定してゴム傾斜板で摩耗跡を埋めるように修理することもできます。
正直かなりニッチな内容ですが、物理的にできてしまう修理でもあります。
もし同じようなご要望があれば、ご相談ください。
オーナー様のこだわりから学ぶ修理

私もそれなりに靴が好きで、この業界にいます。
それでも時折、オーナー様の熱いこだわりや、ブランドへのリスペクトに圧倒されることがあります。
トップリフトを丸ごと交換する。
それ自体は、修理としては自然な判断です。
しかし、あえて残せる部分を残す。
交換する範囲を最小限にする。
オリジナルの雰囲気をもう少し引き継ぐ。
そういう見方も、確かに存在します。
今後も、単純な交換だけでなく「どこまで残すか」という視点で修理を考えていきたいところです。
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
John Lobb(ジョンロブ)NASEBY|プレステージラインを尊重したトップリフト交換
Alden(オールデン)タッセルローファーのつま先レザー修理|レザーソール派のためのつま先補修

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