カビ処理

今回は SARTORE(サルトル)のロングブーツ のご依頼です。

個人的にレディースのロングブーツのなかではタニノクリスチーと並んで好きなブランド。
大人の魅力が詰まった一足だと思います。

しかしながら、アッパーとソールに白いカビが広がってしまっていました。

特にソール面は全体的に粉をふいたような状態で、保管環境の影響が見て取れます。
ただ幸いなことに、ブーツの内部はとても綺麗な状態を保っていました。
インナーにカビが侵食していないのは大きな安心材料です。

革靴に生えるカビは、ただの表面汚れとは違います。
特にメンズのグッドイヤーウェルテッド仕様では、中物(コルク部分)まで侵食しているケースもあります。
そうなると表面処理だけでは足りず、オールソールと併せた対応が必要になることも。

白カビの段階なら除去が可能ですので、専用のカビ処理剤を用いて全体を丁寧にクリーニングを。

向かって右がクリーニング直後。

表面の白カビが消え、すっきりと落ち着いた表情になりました。
また、しっかり乾燥させた後には革に潤いを与え、全体を磨き直しました。

コバ部分はカビで色抜けしていたのでインクとワックスを入れ直し、接地面にもオイルを補充しています。
ブーツ本来の輪郭が引き締まり、見栄えが格段に良くなりますね。

革靴は湿気にとても敏感です。
置き方や空気の流れを少し工夫するだけで、長く美しい状態を保つことができます。

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