Trading Post(トレーディングポスト)カウンターライニング補修|履き心地を回復する修理実例

トレーディングポストの靴のカウンターライニング補修を行う縫製作業の様子。ミシンで内装を固定している工程 Blog

トレーディングポストのオリジナルシューズ

トレーディングポストの革靴を修理前の状態で俯瞰撮影した写真。カウンター周りの使用感が見て取れる

高級紳士靴セレクトショップとして知られるトレーディングポスト。
各地方都市にも店舗があり、足を運んだことのある方も多いのではないでしょうか。

数多くの高級靴を扱ってきた背景もあってか、同店のオリジナルシューズは評判を耳にする機会が少なくありません。
中には、かなりマニアックな仕様を盛り込んだモデルも存在し、「本気で作っているな」と感じさせられる靴です。

長く大切に履かれた一足だからこそ

トレーディングポストの靴のカウンターライニング修理前の状態。内側かかと部分の擦れと劣化が確認できる

今回お預かりしたのは、約10年近く履かれてきたトレーディングポストのオリジナルシューズ。
アッパーの状態からも、オーナー様がいかに大切にされてきたかが伝わってきます。

日頃のケアはご自身で行われており、磨きだけでなく色補修まで施されているとのこと。
靴好きとして、そして修理屋としても頭が下がる思いです。

一方で、長く履かれた靴にはどうしても「内側」にダメージが蓄積していきます。
今回気になったのは、カウンターライニング。
腰裏、スベリ革などとも呼ばれる、履き口付近の内装部分です。

摩擦の頻度が高い箇所だけに、表面的な擦れに留まらず、革の捲れや破れが出てくると履き心地に直結します。
まだまだ活躍できる一足だからこそ、ここはしっかり補修して、もう10年履ける状態にしておきたいところです。

違和感を生まないための下準備

カウンターライニング補修用に厚みを調整して漉いた革。内装に馴染ませるための下準備工程

足というのは非常に敏感なセンサーです。
ほんのわずかな段差や引っ掛かりでも、不快に感じてしまうことがあります。

そのため、当て革は端をしっかりと薄く漉いてから作業を進めます。
写真は途中工程のものですが、エッジ部分の厚みが大きく変わっているのがお分かりいただけるかと思います。

このひと手間が、仕上がりの自然さと履き心地を左右します。

ぶっちゃけ、うまくいかない日もある…

カウンターライニング補修中、ミシン糸の調子が崩れ縫製が安定しない状態を写した作業中の写真

革を当て終えたら、あとはトップラインのステッチ穴を拾いながら縫い止めていく工程です。
……が、ここで少しトラブルが発生しました。

ミシンの糸調子が安定せず、思うように縫いが進まない状態に。
たまに起きる現象ではあるのですが、原因の切り分けに手間取ることもあり、正直なところ毎度疲れる場面です。

靴修理は、経験を積んでいても何かと想定外の出来事が起こる仕事。
全国の修理職人の方々も、きっと美しい仕上がりの裏側で、同じような試行錯誤を重ねているのだと思います。

仕上がりと、その先を見据えて

カウンターライニング補修後のトレーディングポストの革靴を俯瞰で撮影した写真。全体のバランスが整った仕上がり

諸々を調整し、無事に縫製を終えたら完成です。
既存のライニングはしっかりエイジングしているため、当てた革との色差はどうしても生じます。

それでも、できる限り近い色味を吟味しつつ、ここから履き込むことで色が深まっていくことも踏まえて革を選定しています。
使い続ける中で、少しずつ馴染んでいく過程も含めて、この靴の一部になっていくイメージです。

気になるところは、遠慮なく

補修後のトレーディングポストのカウンターライニング。内側かかと部分が自然に整えられている

ライニングの状態が気になってご相談いただくケースは多いですが、
他の修理のついでに「実はここも気になっていて…」と打ち明けてくださる方も少なくありません。

ご予算や優先順位はあるかと存じますが、こちらから見て気になる点は、なるべくお伝えするようにしています。
もちろん修理をするかどうかを決めるのはあくまでオーナー様。
一緒に相談しながら、これからも気持ちよく履き続けるための工夫を考えていけたらと思っています。

関連記事は下記リンク先をご参照ください。

REGAL(リーガル)の履き口ライニング修理|日常靴だからこそ整えておきたい場所


靴修理作業台に置かれたミシン糸をポラロイド調で撮影した写真。修理工程の余白を感じさせるカット

修理のご相談は、Webフォーム または LINE から承っています。
仕上がりのイメージやご希望の仕様がある場合は、写真を添えていただけるとご案内がスムーズです。

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