トッズのブーツを「つま先傷補修」でお預かりしました

今回お預かりしたのは TODS(トッズ)のレザーブーツ。
革のシワの入り方が均一で、しっかり履き込みながら無理のない使い方をされていることがわかる一足でした。
だからこそ、つま先の擦り傷だけが余計に気になる状態でした。
擦り傷や色抜けが起こるメカニズム

つま先は最もダメージが蓄積しやすい場所で、
・歩行による摩擦で色が削れる
・革の繊維が毛羽立つ
・深い凹みとなって残る
という段階を踏んで劣化が進行します。
今回のケースは 毛羽立ち+凹みの両方が見られる症状で、磨きのみでは自然な仕上がりにならず、補修が必要な深度でした。
パテを「多めに盛って削る」ことで整える

凹みを均一に戻すため、最初にパテをしっかり盛り、その後ヤスリで余分を削って高さ・面の連続性を整えます。
今回のような症状では 一旦しっかり盛って → 削り → 馴染ませる方式の方が仕上がりが自然です。
その後着色を行い、トップコートで質感とツヤ感を整えて仕上げています。
自然なツヤ感を軸に仕上げています

今回の仕上げでは、光沢を出しすぎず 自然光で見たときに上品に映るバランスを意識しました。
深い傷が整うことで
・清潔感が戻る
・つま先の輪郭が締まる
・全体の印象がまとまる
この3つが一度に戻ってきます。
(とはいえ、写真ではハイライトががっつり入ってしまい結構見づらいですね…)
ベストタイミングは“傷が出てから”ではなく“普段の保革”

つま先補修の完成度は「依頼時期の早さ」では決まりません。
むしろ差が出るのは 普段からクリームで保革しているかどうか。
クリームが保護膜となることで摩耗の進行が緩和され、革繊維が削れすぎる前にブレーキがかかります。
結果として、補修の選択肢が広がり、末長く美しい状態を維持できます。
「傷が気になってから急いで修理」よりも 普段からクリームで革を守っておくことが最大の予防策です。
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