SUGARHILL(シュガーヒル)ローファーのトップリフト交換|かかと修理と仕上がり記録

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SUGARHILL(シュガーヒル)ローファーのトップリフト交換

SUGARHILL(シュガーヒル)は、東京を拠点とするファッションブランド。
アメリカンワークやミリタリーの要素をベースにしつつ、現代的に再構築されたデザインが特徴。
SUGARHILLのように個性のある靴は、修理で雰囲気が変わってしまうのではと不安に思われる方も多いかもしれません。
できるだけ“もとの佇まい”を損なわず整えること。それが今回の修理でいちばん大切にした点です。

修理内容:トップリフト交換(かかと修理)と軽度の補修

このローファーはテーパードヒール仕様で、積み上げ部分にはアイコニックな丸頭真鍮釘があしらわれていました。
作業前に一度これを外し、リフト交換を進めていきます。

使用したのは イギリス製のレザーリフト。
元々取り付けられていたものと同じ、ゴムの面積が控えめでドレッシーさを重視したタイプを選びました。
摩耗対策をしつつ、見た目の雰囲気を損なわない仕上がりになります。
また、トップリフト交換は見た目を整えるだけでなく、歩行時の安定にも直結します。
かかとがしっかりすると、靴全体の姿勢も自然に整いますので。

積み上げの軽補修

ヒールの積み上げ部分がやや剥がれていたため、接着による補修もサービスで行いました。

こういう場面には時折出会います。
アメリカ靴でよくあります、特にヴィンテージ靴。

仕上がりと印象

交換後はヒールラインが整い、靴全体の輪郭が引き締まりました。
カジュアルな要素を持つブランドながら、靴の仕上がりとしては非常に ドレッシーでエレガント。

スエードの柔らかさと、ヒールの端正な仕上げとの対比。
このバランス感がたまらんです。
カジュアルとドレスの狭間を行き交うこの靴で、オーナー様には色々なコーディネートを楽しんでいただきたいですね。

まとめ

靴修理では、ブランドの持つ空気感を壊さず、必要なだけ手を入れることが大切です。
ほんの小さな補修でも靴全体の印象は変わります。
履き慣れた一足を、もう一度自分らしく歩ける形へ。
そんな修理を静かに重ねていきたいものです。


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