REGAL(リーガル)の履き口ライニング修理|日常靴だからこそ整えておきたい場所

腰裏修理後の写真。アイキャッチ用 Blog

リーガル 腰裏(履き口ライニング)修理

リーガルのフルブローグ、修理前の全体俯瞰

日本では最もメジャーな紳士靴の一つである REGAL(リーガル)
どの現場でも定期的に修理のご依頼をいただくブランドです。
今回はフルブローグの腰裏(履き口ライニング)修理を行いました。

ご相談内容と靴の状態

履き口ライニングが擦れて穴あきになったカカト内側
  • 両足ともカカト内側のライニングが擦れ、大きな穴あきが発生
  • 表革はまだ履ける状態のため、内装のみを補修して延命をご希望

修理方針

革当ての範囲を決め、補修エリアを養生テープでマーキング

内容はとてもシンプル。
破損箇所に合わせて新しい革を成形して重ね張りし接着、履き口に元々走っているステッチを再利用して縫い留めます。
革当ての範囲は、靴の仕様と擦れているポイントを見極めてミリ単位で調整します。

縫製のこだわり:元穴を拾う

靴の縫い修理は多くを八方ミシンで行います。
専門的な話で恐縮ですが、今回はミシンの「おさえ」を外し、靴側の角度を細かく変えながら縫います。
理由は明快で、表裏ともに元の縫い穴を正確に拾うためです。
靴は立体物で、ミシンの針は常に真下へ落ちます。

八方ミシン用に表裏の元穴を拾うため既存ステッチへ針を刺して角度確認

写真の通り、表裏の縫い穴を拾った場合、靴と針の角度は垂直になりません。
ただ針を真下に落としていくだけでは成立しませんし、新しい穴を増やさないように縫い進めます。

仕上がりと履き心地

補修革を薄くすいて縫い留めた修理後の履き口ライニング

補修革の厚みはわずかに出ますが、周囲のエッジを薄くすくことで段差をほぼゼロに。
見た目の自然さと、踵の収まりを損なわない履き心地を両立させています。

なぜ穴があくのか:予防のヒント

  • フィッティングがゆるい:足が靴の中で遊び、カカトが擦れ続ける
  • 靴ベラを使わない:着脱時の引っかかりで内装に負担がかかる

もし最初から緩いサイズを選んでしまった場合は、部分的なインソール調整で踵の動きを抑えるのが効果的です。
さらに、着用時は靴ベラを使用し、毎回しっかり紐を締めること。
これだけで摩擦は大きく減り、快適さと持ちの両方が向上します。
靴を長く履くために。そして歩行の快適さを確保するために。
まずはこの小さな習慣から、大きな差が生まれます。

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八方ミシンを写したポラロイド写真。作業台の上で静かに佇み、立体物を縫うための独特の構造と存在感がにじむ一枚

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