ニューバランス996をトータルリペアで再生
履き慣れたスニーカーは、修理を重ねることで新しい表情を見せてくれます。
今回は1~2年前の内容ですが、New Balance(ニューバランス)996 のトータルリペアを行った事例をご紹介します。
ソール、ライニング、ロゴといった複数箇所を同時に補修することで、見た目も履き心地も大きく改善されました。
劣化状態の確認
ニューバランス996は履き心地の良さと軽快さが魅力ですが、長く履くと特有の傷みが出やすいモデルです。
今回お預かりした靴には、次のような劣化が見られました。
ソールの摩耗

かかと部分が深く削れ、ミッドソールまでダメージが進行していました。
このままではクッション性が失われ、歩行時のバランスにも影響が出る状態です。
ライニング(かかと内側)の破れ

内側のメッシュが擦り切れて破れており、足あたりに違和感がありました。
破れ部分を放置すると、さらに裂けてしまうおそれがあるため補修が必要です。
「N」ロゴの劣化・剥離

合成皮革のロゴが経年劣化により剥がれかけており、全体の印象を損ねていました。
この部分は修復よりも新たに革で作り直す方法が有効です。
修理内容と工程(簡潔に)
ソール交換(オールソール)

既存のソールを除去し、Vibram #507C “CHICAGO” ソールを新たに装着。
グリップ力・耐久性ともに向上し、屋外でも安心して履ける仕様になりました。
ライニング補修

かかと内側の破れは、同系色のメッシュ素材を使用して張り替え。
見た目にも自然で、履き心地も元の状態に近いフィット感を再現しています。
ロゴ再制作

劣化していたNロゴは、ブラウン革×ホワイト縁取りのレザーで新たに制作。
既存のデザインを生かしつつ、上質なアクセントとして靴全体の印象を引き締めています。
修理後の仕上がり
トータルリペア後の996は、見た目と履き心地の両方で大きく改善されました。

見た目の変化
ソールのラインが引き締まり、ロゴも新調されたことで全体が引き立ちます。
“新品のような印象”でありながら、履き込んだ革や生地の表情が残り、自然な経年感を活かした仕上がりに。
履き心地の回復
ライニングの補修によって、かかとのフィット感が再生。
歩行時の安定感が戻り、足全体が包み込まれるような感覚を取り戻しました。
靴全体のバランス
部分的な補修に比べ、トータルで手を入れることで全体の整合性が向上。
ビジュアル・機能の両面から、“もう一度履きたくなる靴”に仕上がっています。
まとめ:ニューバランス996を、もう一度履きたくなる一足へ
トータルリペアは「古くなった靴を直す」だけでなく、これからも履きたい靴を最良の形でつなぐための方法です。
ニューバランス996のように長年愛されるモデルは、修理を重ねることで“自分だけの靴”へと成長していきます。




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