Salvatore Ferragamo(フェラガモ)レザーオールソール|快適な街履き仕様へ

修理後の俯瞰アングル。新しいラバーソールのパターンと仕上がりが確認できる。アイキャッチ用。 Blog

フェラガモのメンズローファーをレザーオールソール

修理前のフェラガモローファー全体。アッパーの履きジワと色むらが見られる状態。

サルヴァトーレ・フェラガモといえば、真っ先に思い浮かぶのはレディースの“ヴァラ”シリーズかもしれませんが、今回はメンズのローファーをレザーオールソールでお預かりしました。
深いバーガンディカラーは冬の装いにも映える上品な差し色。
おしゃれは足元からということで、今回もしっかりと整えさせていただきました。

中底ダメージを防ぐための早期修理

修理前のアウトソール。中央に穴が開き、レザーソールが大きく摩耗している。

元々のレザーソールは接着のみで取り付けられている仕様で、中央には穴が開いてしまっていました。
セメンテッドやマッケイ製法の靴の多くは、グッドイヤーのようにコルクなどの中物が入らないため、ソールが抜けると次にダメージを受けるのは中底です。
中底は靴の“心臓”とも呼ばれる重要な部位。
ここが傷む前に手を入れることが、靴を長く履く上で非常に重要になります。

押縁(おしぶち)を取り付けて構造を補う

本底とヒールを外し、内部構造が露出した状態のフェラガモローファー。

今回の靴はソールに縫いがかかっていないため、解体自体は比較的スムーズでした。
セメンテッドやマッケイ製法の靴はウェルトが存在しないため、代わりに押縁(おしぶち)というパーツを取り付けます。

新しい押縁を取り付けた状態。アッパーとソールの境界が整えられた工程。

押縁はアッパーとソールの隙間を埋める役割も持つ重要なパーツです。
仕上がりの見栄えや耐久性にも関わるため、この工程は丁寧に行います。

マッケイ縫いで剥がれを防ぐ仕様へアップデート

アウトソール接着後にマッケイ縫いを行った状態。中底側にステッチが確認できる。

新しいレザーソールを接着した後、今回はより安心して履いていただけるようマッケイ縫いを追加しています。
靴内部を見ると、中底の脇に走るステッチが確認できるはずです。

この縫いが生きている限り、歩行中にソールが突然剥がれてしまうリスクは大幅に軽減されます。
元の仕様よりも信頼性の高い構造へアップデートされたと言えるでしょう。

イタリア製レザーソール+ハーフラバーの実用的な組み合わせ

今回の仕上げはイタリア製レザーソールに、ハーフラバーを追加する構成です。
ハーフラバーを張る前提の場合、糸を切らないための仕込み方など、工程に細かな調整が必要になります。

積み上げ革を重ね、ヒール形状を再構築している途中工程。

また、厚みがわずかに加わるため、先にハーフラバーを取り付けてからヒールを再構築することで全体の高さと前後バランスが整います。
事前補強を行う場合、オールソールと同時施工にするメリットは大きいと感じます。

仕上がり

オールソール後のフェラガモローファー全体。バーガンディの艶が戻り整った仕上がり。
修理後のヒール側アングル。積み上げのラインが整い、美しい後ろ姿に仕上がっている。

似た仕様なら、諸々の理由からグッドイヤーよりもマッケイ製法のオールソールのほうが難しいと感じます。
とはいえ今回は全体的にまとまりのある仕上がりになったのではないでしょうか。

修理後の俯瞰アングル。新しいソールのパターンと仕上がりが確認できる。

マッケイ製法ならではの屈曲性の良さに加え、ハーフラバーとラバートップリフトが機能性をしっかり支えてくれています。
そして今回のように、マッケイ+ハーフラバー仕様は街履きで扱いやすいのも大きな利点です。

オールソールは“修復”であり“アップデート”でもある

修理後のコバ周り。押縁とソールの一体感があり、エッジが均整に仕上げられている。

純正通りに戻すのも良し。
少し仕様を変えてアップデートするも良し。
オールソールは修理でありながら、同時に靴の仕様を見直すチャンスでもあります。

今回の一足が、より快適に、そして安心して履いていただける存在となれば嬉しく思います。

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フィニッシャーの上に置かれた修理後ローファーを写したポラロイド。落ち着いた陰影の中で靴の存在感が浮かび上がる。

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