箸休めとしての私物紹介記事について

今回は、少しだけ箸休めの記事を書かせていただきます。
当サイトは配送専門の靴修理店を謳っており、ブログでは基本的に修理事例の紹介を中心に掲載しています。
一方で、Web完結という性質上、読んでくださっている方や、ご相談をくださる方々と対面でコミュニケーションが取れない難しさは日々感じており……
たまにはこうした記事を通じて、「どんな人間が、どんな視点でこのサイトを運営しているのか」その一端を感じてもらえたら何よりです。
そんな流れで、最近夫婦でエドワードグリーンの旧工場時代(推定)の代物を購入したので、今回はそれについて記載してゆきます。
ちなみに旧工場というのは、1995年頃にジョンロブに工場買収されるよりも前の時期を指します。
まずは妻の靴から

そもそもグリーンのレディースの靴、さらに古いモデルとなるとほとんど見たことがありません。
グリーン自体ジョンロブほどの球数はないですし余計に。
モデル名はわかりませんが、英国らしさあふれるブラウンのフルブローグモデル。
アッパーの状態は比較的良好で、磨くと一段と輝く楽しさがあります。全体的にレディースライクな丸みがあり、コロンとしたシルエットがかわいい一足です。
レディースでも妥協を感じない作り込み

ソールはグッドイヤー製法で、元ソールはメンズモデルでよくある5mmではなく、3mm程度の薄いレザーソール仕様でした。
ウェストは丸コバ、フロントはツメコバ、ヒールには飾り釘も打たれており、この辺は本格紳士靴と同じ内容です。
残念ながらあまり上手ではないハーフラバーがついているのですが……
元々ヒドゥンチャネルが施されており、一切妥協されていない感じが素敵です。
元より補強されていたこの靴は、ハーフラバーとトップリフトの交換と最低限の修理を施そうと思っています。
雰囲気はできるだけ崩さず、日常で気兼ねなく履ける状態に整える方針です。
初めて見るインソールロゴ

インソールロゴも初めて見た仕様です。ちゃんとグリーンのレディースラインであることが確認できます。
グーグルの画像検索もかけてみましたが、あまり有益な情報は出てこなかったので謎は深いですが……
続いて私が買ったもの

ポールスチュアート別注のキルティングローファー。
革質は決して極上とは言えませんが、旧工場時代の特徴通りモチモチした質感です。
フルブローグ仕様でちょっと珍しいデザインですね。
かなりファッション的には使いやすく、古い物ですがヘビーユーズしてしまいそう……
余談ですが、当時のグリーンはOEMを積極的に行っており、それにより名を挙げたといっても過言ではなく、古い物になると色々なデザインがあって面白い。
アメリカのポールスチュアート別注モデルということもあり、そう言われるとアレンエドモンズやジョンストン&マーフィーぽい気もする……
完全に個人的な感想ですが、グリーンがイギリスフィルターを通して作ったアメリカ靴という印象を受けます。
ソール周りに残る手作業の気配

ソールはレザーソール仕様、オールソールはされていません。履き込まれているので、そろそろオールソールはしないといけない感じです。
出し縫いピッチが非常に細かく、またウィール跡に沿って縫われているので、もしかしたらこの辺手作業なのでは?と思いました。
全体的に手作業を感じさせる箇所が見られ、その辺りが現代と異なる印象を演出しているのかもしれません。
旧工場期の推測について

インソールはグリーンの表記はなくポールスチュアートロゴです。
旧工場時代の判別としてはインソールのロゴ、アウトソールの刻印、ライニングのサイズやラストの表記あたりを見るのですが、この靴はインソールでの判別ができないので、残り二つの要素から旧工場時代のものではないかと推測しています。
込み入った話は色々な方がネットに書いていらっしゃるので、興味のある方は見てください。
まとめと今後の修理

2足ご紹介させていただきましたが、古いものということもあり、それぞれ修理をして履こうと思います。
作業完了次第記事にしますので、また見ていただけたら嬉しく思います。
ヴィンテージシューズは今とは違うデザインやラスト形状がしばしば見られてとても楽しいです。
※私のローファーは今もある184ラストですが。
もはや職業病ですが、この靴を見ると当時の英国の職人がこだわって作業していた映像が浮かび、なんだかロマンがあります。
歴史を感じられる代物を、現代でもちゃんと履き続けられるようにするというのも、私の仕事の意義のひとつ。
続く記事も皆さまに興味を持っていただけるよう、しっかり書かせていただきますね。
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
John Lobb(ジョンロブ)NASEBY|プレステージラインを尊重したトップリフト交換

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