サンローランのジョッパーブーツについて

サンローランのジョッパーブーツ。
ベージュスエードは、本当にお洒落だと思います。
常々ベージュスエードへの憧れはあるのですが、正直なところ私はあまり似合わず…
何度も「欲しいな」と思ってはいるものの、結局手が出ないままです。
だからこそ、さらっとお洒落に履きこなせる方々を見ると、素直に羨ましくなります。
今回お預かりした一足も、まさにそんな魅力を持ったジョッパーブーツでした。
今回の修理内容とハーフラバーのタイミング

今回は ハーフラバー補強 でお預かりしています。
着用は1回のみとのことで、状態としてはほぼ新品に近いコンディションでした。
少し分かりづらい話かもしれませんが、
どうせハーフラバーを張るのであれば、できるだけ早めに施工する
というのが、私の基本的な考え方です。
理由はいくつかありますが、今回の靴に即した話をひとつ挙げると──
すでにつま先が摩耗している状態でハーフラバー補強を行う場合、
削れてしまった部分には別の革を継ぎ足し、コバの厚みを元に戻してから施工します。
ただし、コバが明るい色の場合、
元ソールと継ぎ足した革ではどうしても質感が異なります。
着色剤やワックスで調整しても、色の差が残るケースは少なくありません。
致し方ない側面ではありますが、
見た目を気にされる方ほど、履き下ろす前の補強 をおすすめする理由がここにあります。
スエード靴とマスキング作業

スエード、とくに明るい色の場合は、
ほぼ例外なくマスキングを施した上で作業を行います。
着色剤やワックスが付着してしまうと、
取り返しのつかない結果になるからです。
効率よりも確実さを優先する。
横着をしないことは、私の中では最優先のルールです。
仕上がりと使用素材について

仕上がりはいかがでしょうか。
今回はブラウンのハーフラバーを使用しました。
コバの色との差はありますが、全体としての馴染みは悪くないように感じます。
滑り止めとしても、補強としても十分。
この冬、大活躍してくれそうな一足ですね。
コバ処理と基礎技術の話

コバは作業工程の中で軽く削りを入れていますが、
可能な限りオリジナルの色味に近づけられるよう意識しています。
色を作ること自体も重要ですが、
明るい色のコバは 削りムラがあると一気に見た目に出るため、
こうした作業こそ、技術の基礎が問われる部分だと感じています。
修理に「正解」がないということ

とはいえ、修理という仕事は、
ひとつひとつに明確な正解があるとは限りません。
毎回が試行錯誤の連続ですし、
その都度、背筋を伸ばしながら作業に向き合っています。
どんな修理でも、妥協せず、丁寧に。
靴の状態やご希望に合わせてご提案しますので、
修理をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事は下記リンク先をご参照ください。
John Lobb(ジョンロブ)Abbott|Vibram 2340ハーフラバーとヴィンテージスチール

修理のご相談は、Webフォーム または LINE から承っています。
仕上がりのイメージやご希望の仕様がある場合は、写真を添えていただけるとご案内がスムーズです。


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